最多世代の親と最少世代の子ども ふり返り366日【08/2/24-2】
現在の小中学生の親の世代は,学習指導要領が示す内容が最も多い時期を過ごした「詰め込み」世代であり,その子どもたちはと言えば,最も内容が少ない学習指導要領のもとで学ぶ「ゆとり」世代となっています。
今の親たちが小中学生のころは,その親たちの高校進学率がまだ低かった時代でもあり,親から見て「新しいこと,自分たちが習っていないことをたくさん学んでいるなあ」という実感があったわけですが,今はその逆(「自分たちが習ったことも学んでいない。大丈夫なのか?」)になっていること。
おそらくこのことが,「より多くのことを学ばせたい」「より高度な教育を受けさせたい」という動機のもとになっているのではないかと考えられます。
そして,経済的な状況が許せば,自分たちがやってきたのと同じように,子どもを受験に向かわせるようになる・・・。
中学受験の塾のテキストを見ると,やはり昔とほとんど同じ「網羅主義」です。
特に社会科などは,習っていない漢字を書かせることも当たり前になっていますから,おそらくこのことは,「社会科嫌い」に拍車がかかっている原因になっているとも思われます。
とりわけ地理的な内容は,よく実態が飲み込めないまま「地名」「物産名」ばかり大量に覚えさせられますから,それが絶対によくないとは言いませんが,興味がない子どもにとって苦痛であることは間違いないでしょう。
ただ,「たくさん知っていること」で安心感をもつことができるというのが,子どもにも大人にも共通していることは確かなわけで,それを今度は「テスト向け」「受験向け」ではなく,どう「活用」するかが大テーマになる次の指導要領というのは,ある意味では一歩進んだ教育に変身していくきっかけになり得ると考えることもできるわけです。
08/2/24 改正学校教育法をご存じですか?改正された教育基本法については、教育の目標が5つ示され、その中に「公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと」が含まれていることなどをご存じの方も多いと思いますが、学校教育法についてはいかがでしょう。
改正学校教育法では、第21条に義務教育の目標が9つ、そしてそれらの目標を達成するために「特に意を用いなければならない」こととして、第30条の2に次のような内容が示されています。
生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うこと
・・・このように示されて初めて気付く人もいるかもしれません。
「主体的に学習に取り組む態度」とは、まず「基礎的な知識及び技能が習得され」なければならないこと、そしてこれらを活用して課題を解決する能力をはぐくむことで養われるものだということです。
学習指導要領の改訂でも、ここが強調されています。
今までは、何も教えず、習得させず、「活用してみろ」と言って、子どもがやったことは、本やインターネットに示されたものを写して読むことでした。
「主体的な学習」とは自分で課題を見つけ、解決するようなもので、学校で言われなくてもやることです。それが「生涯にわたって学習する基盤」になるのです。ゆとりの中で育成しようとしたのは、こういう「生きる力」のことでした。
しかし、ゆとりの方に比重がかかり、分量を減らしたのにできない、教えないからできない、習得させないからできない、という状況が生まれ、非難の対象になっていました。
次の学習指導要領の完全実施は少し先ですが、移行期間に前倒しで実施できることも多く、来年度からの教育も大きく変わるでしょう。
各学校は来年度の教育課程届けを教育委員会に受理してもらうため、審議する時期ですから、今、教務や管理職は時数の調整におわれていることでしょう。
教育委員会から指示が出ていると思いますが、改正教育基本法、学校教育法をどれだけふまえた目標づくりができているか、授業時数はどうなるかがポイントになりそうです。
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