開成高校の異変の原因? ふり返り366日【08/2/23】
学力に関する発言は,分かりやすいものほど一面的なものであり,そういう場合に使われる最も典型的な数字が「東大(・京大)合格者数」というものです。
今年は開成高校の東大現役合格者数がかなり減ったことが「異変」として扱われているようですが,まさかこれが「学習指導要領の趣旨を踏まえない教育をしていたせいだ」と考えている人は少数派でしょう。
私立ですから「ゆとり教育が原因ではない」ことははっきりしているのでしょうが。
東大の入試問題はもともと「思考・判断力」「要約力」「表現力」などが問われる「良問」がそろっており,そういう能力を伸ばそうとしているのが現行の(そしてその趣旨をさらに引き継ぐのが次の)学習指導要領ですから,学校教育の質がより問われてくるようになるのではないかと思います。
ただ,一般的な公立学校では,教師の「表現力」「要約力」のみでかなりのウェートがかかっている授業が展開されていますから,その力量がそのまま子どもに反映されやすくなっています。
教師はもっと「良問」とよばれる問題群を分析し,そのような質の高い教材を取り込みながら,授業改善に努めていく必要があると思います。
2008/02/23 「子どもは公立に預けるな!」その2和田秀樹が私立の中高一貫校を薦める理由の一つに、「周囲による動機づけ」がはたらくというものがあります。
一部の人はこれを競争をあおるものとして受け止められるかもしれません。
ただ、「周りが勉強している環境であれば子どもも勉強する」が、「周りが勉強していない環境だと子どもは勉強しない」というのはある程度の一般性がありそうです。
そう考えると公立学校で勉強している子どもというのは、もしかするとすごい能力の持ち主かもしれない。
しかし、公立学校では、勉強していない環境の中で勉強をしている(これはもちろん普通の定期考査でいい点をとるという意味での勉強ではありませんが)子どもがさらに力を伸ばせる機会がない。
和田秀樹の場合には、それを学習指導要領のせいだと主張します。
だから、それを逸脱している私立の中高一貫校がお薦めだという考えです。
私立の方がまともに勉強している子どもが多いから、そういう環境だけでもお薦めできる、ということ。
学ぶ環境の面で公立は私立に負けている。これに反論できる方はいらっしゃいますか。
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