ふり返り366日【08/1/24-1】 宿題漬けの「ゆとり」の学校?
学校が単純なテストで測れるタイプの力を向上させようとしたら、宿題を山のように出すのが最適です。
一部の私立や最近できた公立の中高一貫校の中には、こういうところがあるようですね。
「高校受験がない」のがメリットと言いながら、宿題漬けにさせて大学進学実績を出そうとするあたりは、設立の本来の趣旨がわかっている人から見れば、批判されて当然のことでしょう。
宿題は、ある一定の水準の学力と、「宿題抵抗感度」の低さがあれば、試験学力の向上には効果があることは確かです。
「塾に通う余裕がある」程度の宿題量ならば、それほど問題ではないかもしれません。
しかし、「学ぶ喜び」を感じる宿題、上級学校に進学した後も学び続けようとする意欲を高める課題というのは、そうあるものではありません。
それは、「自分が見つける」ものだからです。
ただ、このような趣旨の現行学習指導要領による教育は間もなく「過去」のものになろうとしています。
実質的に、移行も目前ですし、新学習指導要領が出されてしまうと、教科書は変わっていませんが教育はすでに「過去」のものになっているかもしれません。
08/1/24 和田中「夜スペ」2日後スタート 26日の土曜日から始まることになった杉並区立和田中の「夜スペ」。 賛否両論があり、教育関係では特筆すべき報道ネタですね。 テレビカメラも入るのでしょうか。 多くの方が進学塾SAPIXのねらいとしての宣伝効果を批判されていますが、私としてはこの塾の運営主体である地域の組織、夜スペ実行委員会の存在をぜひとも取り上げてほしいと思います。 保護者や地域の方々が教育への参画を図ろうとするとき、やはり活動の場としては学校を使うことになりますが、人材として「勤務時間外」の教師を使うことが困難なため、ボランティアの保護者自身とか、塾講師という学習指導の専門家を配置することになる。「保護者や地域の願い」が反映される学校づくりのモデルとして扱ってほしいと思います。提案者が進学塾だろうと、その情報を入手した校長だろうと、関係はありません。実施者を紹介してほしい。 映像的には、塾講師だけでなくボランティア?の学校の教員が授業の中で「先生らしさ」を演じることができれば、「公教育の破壊」などという批判はクリアできるでしょう。 「公教育の格差の拡大」を問題にしている人がいますが、カリキュラム外のことで、かつ、別に下位の生徒をよりできなくさせるわけではなく、上位の生徒をより高いレベルに上げるのを悪とするなら、それこそ「公教育の信頼崩壊」につながります。格差を生まないことが公教育の最大の使命なら、勉強が苦手な子どもを無理矢理机に向かわせる必要と、上位の生徒になるべく勉強をわからなくさせないように努力する必要があります。 教育関係者として私が最も高い関心を持っている対象は、「教材」です。 藤原校長や教員も教材作成にかかわっているということは、塾で使用している通常のテキストとは異なるものなのでしょう。 多くの進学塾でやっているような、いわゆる「先取り」型のカリキュラムではなくて、授業の進度に合わせた発展的学習ができる教材なのでしょうか。 公教育に私企業の参入は気にくわない!といっている教師がいますが、その先生の学校では教材会社がつくっている「副教材」をいっさい生徒に買わせていないのでしょうか? そういう教材の費用を家庭に負担させて、子どもには宿題で「家でここまでやっとけ」という負担を課したりしてないでしょうか? そういう教材に、教師や子どもは満足しているでしょうか。 家庭学習用の教材を教材会社から買うのと、塾と連携して学校や生徒のレベルに合ったものをつくって買わせるのとでは、何が違うのでしょうか。 土曜日以降の報道を楽しみにしています。
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