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地球で最高の学校?

 日本は、いいものはすべて外国からやってくるという信仰?をもっているために、なかなか自力で改革しようとしても、うまくいかない、そういう主張をしている人がいます。
 ネット網が世界をおおうようになったため、入国させなくても、外国にいる外国人を雇い、仕事をさせることが可能になったアメリカの話。武器は外国人が「英語」を使えること。欧米各国の植民地支配の遺産は絶大な威力をもっています。
 これも「フラット化する世界(下)」に紹介された話です。
 アメリカでは、ある仕事を海外に移転すると、賃金を75%節約できるだけでなく、生産性が100%向上する。
 アメリカ国内では低賃金で社会的地位が低いコールセンターのオペレーターのような仕事も、インドでは高賃金で社会的地位の高い仕事になり、より安い賃金で高い意欲の労働者を雇用できる。しかも、安くて効率的なだけでなく、品質と生産性が格段に向上する、というものです。
 アメリカは自国民の教育について、具体的な危機感を現実的にもっています。
 では、多民族国家アメリカは他人の話かというと、読者の私立校教師からの手紙が紹介されており、保護者面談で経験したこととして、次のような内容が紹介されています。
 自信のない親は、子どもが問題をおこさず、楽しそうにしていれば、万事順調だと考え、いい教育を受けていると思っている。周辺の公立・教会系・私立学校よりも本校の方が優れていると保護者が考えれば、学校の上層部もそれで満足。しかし、学校も隣や町や州とだけ競争しているわけではないと気づきました。
 我々教師は、いろいろな面で自分を騙している。学問の面で言えば、ハングリー精神を失っている。・・・フラットな地球に耳を押し当ててみれば、海外から押し寄せる競争の足音が聞こえるはずです。教育者として小生は、地元や地域で最高の学校になるという目標は捨て、地球で最高の学校を目指したいと存じます。
 著者の次の言葉も、印象に残りました。
 「世界がフラット化しはじめる前、アメリカは本質的に島国だった・・・」
 日本での教育の議論は、非常に抽象的だったり、まことに瑣末な施策の是非で賛成だ反対だと言っています。
 細部にこだわることも日本の長所かもしれませんが、「地球で最高の学校」をつくる気概がある教師はどれくらいいるのでしょうか。そのためには、「求める人材」「理想の才能」は本来多様なものであって、その根底にある、学問や社会への興味・関心や学び続けるための学び方を身に付けさせること、成功願望をもたせることが重視されなければならないことは、言うまでもありません。
 この成功願望をくだらない理由をつけてつぶそうとする教師たちが果たしている役割は何か。それは「格差拡大」を悪として、「格差縮小」のために「成長」を抑制することにあります。
 日本の最後の砦になっているのは、アメリカと異なる条件、「日本語」です。日本が英語圏に入っているものと仮定したときの社会像を考えるとぞっとします。
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