なぜ教師はつまらなそうに授業をするのか
週末に学校公開があったので、いろいろな評判の教師たちを観察することにしました。
学級崩壊を起こして保護者が入れ替わりで授業に参加している教師は、まず、教えることが楽しくなさそうなんですね。また、全然子どもを見ていないし、言葉のキャッチボールもない。
素人目には指導力不足に見えないかもしれないその教師に決定的に欠けているのはプレゼン能力。
他の教師の授業を受けないからまだがまんできるかもしれない小学生ですが、算数の少人数クラスでは、他の教師も負けず劣らず言語能力が乏しい。管理職も不満を生まない人員配置をよく考えているものです。みんな同程度に能力が低ければ、子どもにはわかりません。一番印象的だったのは、不安そうな保護者たちの顔でした。
学年主任の教師のクラスでは、まず基本的な学習スタイルが他のクラスと異なっています。詳細は述べませんが、ノウハウが学年内でも伝達されていない。これでは学力差がつくのは明らかなだろなという実践力の違いです。・・・それでも小学校のカリキュラムというのは、できる子からするとあまりにも内容が少なく進度が遅い。塾・通信教育産業がもうけられる仕組みが整えられているわけです。小学校で学力差がつくのはよほどのことです。
先日、ある大学院の学生から初任者研修のうち、校内研修の現状と課題について聞き取り調査を受けました。私の経験は行政のいわゆるセンター研修の実施者の立場だったので、自分が受けた校内研修、望ましい研修のあり方という点で説明しましたが、研修は初任者研修が終わったら終わりというものではもちろんなく、正式採用を決定するためのものなので、一番重要なのはPDCAサイクルの自己管理ができるようになること、これに尽きます。
現状の課題は何か、研究成果をどう実践に生かせばよいのか、計画を立て、実行する。そして新たに課題になったことは何か。なぜ計画がうまくいかないのか。どこを修正すればよいのか。・・・この繰り返しができるようになることが、初任者の最大の課題です。
自治体によっては、2年目研修、3年目研修なども用意していますが、悉皆研修は10年経験者研修です。
この研修項目の中に、次の世代をどう育成するか、これを入れるべきです。
普通、10年経験者研修では、自分より実力や経験のある教師や指導主事、管理職、専門の講師から指導を受けますが、校内の2,3年目の教師を一人前にすることをノルマに入れてほしいと思います。2、3年目と10年目では、どんな教師でもそれなりに成長しているはずです。その成長を実感できるメリットもあります。
繰り返しになりますが、教科担任制の中学校と比べて、同じ内容を異なる力量と精度と熱意で実施されてしまう学級担任制の小学校では、保護者たちの不公平感はつのりますね。
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