事務職員が「職員会議」に出席している学校の割合は?
文部科学省の若手キャリアが事務職員として学校に派遣されることになったそうです。彼らは現場で,教育の成果や課題についての情報を収集し,文科省に新たな戦略を創造するための論理を構築するわけですね。
私が教育委員会で勤務するようになって一番驚いたのは,学校の「事務の方」が教育政策の立案にかかわっていたということです。区市町村採用の「学校事務」の方など,さまざまな立場の方がいることもわかりました。
事務の方は施設や物品,人事の管理のように,「お金」に関わる仕事の専門家だと思っていたら,そういう方だけではなかったのです。教育委員会の指導主事,文部科学省では教科調査官のような,教員出身の事務担当者がいますが,その上司に教育が専門でない方がいるのですね。役所で長年働いていた方が教育長に就いている自治体もあります。
文部科学省は「現場を知らずに政策を決定していた」(失敗の28:実態からの出発が期待できない」に関連がありあります。情報追求力の欠如という逆コンピテンシー。)という失敗を認めたことになるので,たいへんよいことだと思うのですが,過激な方は「事務室に何がわかる」とお怒りになるかもしれませんね。優秀でかつ学校の現状に危機感を抱いている事務の方も大勢いらっしゃるのですが。いつも暇そうにおしゃべりしたり,ネットサーフィンばかりしている方ばかりではないのです。役所や人通りの少ない商店街のお店の仕事と同じように,事務の仕事は,集中するときは集中して,そうでないときは暇そうに見えてしまうのです。「本庁」となると,残業手当が必ずもらえるくらい忙しいのです。
事務職員は学習指導要領の内容を理解しているのか。学校の道徳や総合的な学習の時間,各教科等の目標や年間計画,全体計画,週ごとの指導計画,評価計画を理解しているのか。教育課程の管理(作成,実施,評価,改善)のプロセスに適切に関与しているのか。執行された予算ごとに,費用対効果の検証をしているのか。職員会議には参加しているのか(教員会議になっていないか)。
キャリアの方は,そういうことを検証されるといいと思います。
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