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(3) 昭和33年の改訂

(3) 昭和33年の改訂

  昭和26年の学習指導要領については,全教科を通じて,戦後の新教育の潮流となっていた経験主義や単元学習に偏り過ぎる傾向があり,各教科のもつ系統性を重視すべきではないかという問題があった。また,授業時数の定め方に幅があり過ぎるということもあり,地域による学力差が目立ち,国民の基礎教育という観点から基礎学力の充実が叫ばれるようになった。そのほか,基礎学力の充実に関連し科学技術教育の振興が叫ばれ,理科,数学等の改善が要請された。
 このような点を改善するため,昭和31年に教育課程審議会に「小・中学校の教育課程の改善について」諮問し,昭和33年3月に同審議会から答申を受け,学習指導要領を全面的に改訂し,昭和37年4月から実施した。
 学習指導要領の改訂に先だち,昭和33年8月に学校教育法施行規則の一部を改正した。その改正の要点は次のとおりである。

 ア 学習指導要領は,教育課程の基準として文部大臣が公示するものであると改め,学校教育法,同法施行規則,告示という法体系を整備して教育課程の基準としての性格を一層明確にしたこと。

 イ 中学校の教育課程は,必修教科として国語,社会,数学,理科,音楽,美術,保健体育及び技術・家庭が,選択教科として外国語,農業,工業,商業,水産,家庭,数学,音楽及び美術が定められたほか,道徳及び特別教育活動が規定されたこと。

 ウ 中学校における各教科,道徳及び特別教育活動の年間最低授業時数を明示したこと。

 このように,従来は学習指導要領で規定していた事項を学校教育法施行規則において規定したのも,昭和33年の改訂の特色の一つである。
 また,学習指導要領は,従来は一般編及び各教科編から成っていたが,この改訂において一つの告示にまとめ,教育課程の基準として必要な事項を規定するにとどめた。
 昭和33年の改訂は,独立国家の国民としての正しい自覚をもち,個性豊かな文化の創造と民主的な国家及び社会の建設に努め,国際社会において真に信頼され,尊敬されるような日本人の育成を目指して行った。その改訂の特色は次のとおりである。

 ア 道徳の時間を特設して,道徳教育を徹底して行うようにしたこと。

 イ 基礎学力の充実を図るために,国語,数学の内容を再検討してその充実を図るとともに授業時数を増やしたこと。

 ウ 科学技術教育の向上を図るために,数学,理科の充実を図ったこと。

 エ 地理,歴史教育を充実改善したこと。

 オ 情操の陶冶,身体の健康,安全の指導を充実したこと。

 カ 小・中学校の教育の内容の一貫性を図ったこと。

 キ 各教科の目標及び指導内容を精選し,基本的な事項の学習に重点を置いたこと。

 ク 教育課程の最低基準を示し,義務教育の水準の維持を図ったこと。

2021年11月
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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より